HIVとは

まず、私たちが誤解しやすいのは、「HIV＝エイズである」ということです。

これは明らかに間違いです。

HIVはエイズウィルスそのものを指し、潜伏期間中はエイズであるとは言えないのです。

エイズとは、エイズウィルス増殖の過程で、小さな病原体にも抵抗できなくなった状態のことを言います。

さて、HIVとは実際にはどのようなウィルスなのでしょうか？

HIVは「Human Immunodeficiency Virus」（ヒト免疫不全ウィルス）といい、ヒトの免疫機能を次々に破壊するウィルスのことです。

私たちが風邪を引いたり、そのほかの病気にかかっても、免疫能力により病気から回復していくことができますが、HIVは免疫機能そのものを侵食していくので、そのウィルス増殖が進行すると共に、体がどんどん無抵抗状態＝免疫不全状態になっていきます。

このウィルスは、ヒトの免疫細胞に潜り込み、増殖を開始します。

その増殖速度は驚異的なもので、血液の半分がHIVに侵された状態になるのに、10分しかかかりません。

HIVに感染すると、じんわりと自覚症状が出てきます。

感染後、1週間が経過した時点で、軽い風邪程度の症状が出るそうですが、「単なる風邪」と見做して気づけないことも多いでしょう。

明らかに「おかしい」と思うまで、HIVは何の弊害もなく増殖を続けていきます。

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